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「王様トマトと私」 | |||||||||
私の家は江戸時代から続く専業農家でトマトは父の代から作り始めました。 |
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トマト黄化葉巻病 | |||||||||
平成14年頃から国内各地で急激に発生・蔓延し、兵庫県内においても平成17年に初発生して以来トマト農家においては最重要防除項目にあげられる新型のウイルス病です。媒介はシルバーリーフコナジラミという体長1?の小さな虫。 ヤスオ農園でも例も漏れず平成17年に初発生が確認されました。その2年後つまり平成19年には育苗段階で感染、そのまま温室内で大発生を起こし、植え付け本数の半分以下を失うという非常事態にまでなってしまいました。当時は毎日トマトの様子をみにいってこれも感染、あれも感染と印をつけては実がついているまま株を抜き取る作業をひたすらにしていました。あれほどトマトの巡回が憂鬱になった年はありませんでした。それでも出荷、収入を得らなけば生活できません。折しも一年前に結婚、そして翌年には長女ができたばかり。踏ん張らないと。踏ん張らないとあかん!と自分に言い聞かせました。 翌年から虫の活動が落ち着く10月頃を育苗期にあて、ハウス全体に捕獲用粘着テープを張り巡らし、防虫ネットを目の細かいのに変え、土中の虫の卵を殺すために夏の暑い時期に土壌消毒を行い、更によりリスクを減らすために抵抗性品種の栽培法を勉強して導入を行いました。それでも毎年何本かは発生して、また3〜4年おきに大発生するサイクルがあります。それらの情報をいち早くキャッチして対策をたて被害を最小限に抑えるように心がけています。「 |
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よくトマトの作り方をきかれると私は「子供を育てるように」という表現を使います。 トマト栽培をはじめてから高糖度で甘いフルーツトマトを作り上げるのには親が土台をつくってくれたおかげで自身でもそんなに時間はかかりませんでした。水分ストレスに塩分ストレス、日照、温度、湿度、いろんな要因が複雑にからみあう環境下でそのときのベストな状態を想定し、そこにもっていけばトマト自らがフルーツトマトに化けるのです。 |
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「これではあかん。経営的にあかん」 | |||||||||
樹勢を維持しつつ、収量も維持しつつ、且つ糖度をあげる方法はないか。大玉でも甘いトマトはできないか。答えは管理の細やかさにありました。いま、このトマトの樹は何を求めているのか、どうしてほしいのか、いま自分にできることはないのか。考え続けて16年。ついに目標のひとつでもあったあの賞をとらえました。 | |||||||||
平成27年7月某日。神戸農業改良普及所から一本の電話がかかってきました。 平成27年度は全国で農業、園芸、畜産など各部門あわせて500名余の大臣賞受賞者が選ばれ、そのうち兵庫県から7つの個人・団体が選ばれて個人はヤスオ農園のみ。さらに上の天皇杯は授かることはできませんでしたがこのような素晴らしい式典に参列でき会場内で素晴らしい方々と同じ空気を吸えただけでも感無量でした。大臣賞はゴールではなくスタート。 皆さんから支えられながらのトマトづくり。 ヤスオ農園ブランドその1「王様トマト」。 王様の名に恥じることなく、美味しいトマトを消費者やお店にお届けしたい気持ちで生産・販売していきたいと思います |
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参考文献:安尾憲太郎、2016年9月〜2017年2月、 |
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